猪子英俊、ごあいさつ

我々は、東海大学発のゲノム解析のバイオベンチャーとして2002年10月に設立いたしました。
我々のミッションは、ゲノム科学の成果を活用した新規DNA解析と診断技術の開発により、人類
の健やかな生命を育み、豊かな生活を創造することです。したがって、標語として

ゲノム多様性を手掛かりに安心な未来を

Grasp the Diversity for Peaceful future

 を掲げています。ヒトの個性はゲノムの塩基配列の違いに反映され、この個人ごとに異なるゲノムの多様性こそが疾患の発症、免疫の応答、薬剤の効果、移植の適合性、などを決定しています。したがって、このゲノムの多様性を解析することが基礎的な医学の画期的な知見をもたらし、このゲノム多様性を正確に検査することが患者さんの的確な診断や効果的な治療に直結します。例えば、HLA検査による移植における適合性、ガン免疫ペプチドワクチン、薬剤副作用や疾患発症予測をはじめとして、未来の高度な医療と期待されている、個別化医療(オーダーメイド医療)が実現できるのです。

 我々のグループは、1984年より、HLA遺伝子を対象として、cDNA及び遺伝子クローニングに着手し、現在に至るまでの30年あまり、HLAのゲノム解析、HLA多型の機能的解析、HLA多型と疾患の相関の分子基盤の解明など、HLA分野における国際的なリーダーとして牽引してきました。    

 一方、HLAのゲノム解析で積み上げてきたゲノム解析技術を基盤として、日本におけるヒトゲノムの解読4チームの一つとして、ヒトゲノム全塩基配列決定に貢献しました。またその後のポストゲノムシークエンシングプロジェクトとして、3万個のマイクロサイトを用いたゲノムワイドな相関解析法(GWAS: Genome-Wide Association Study)を独自に確立し、生活習慣病など多因子性疾患の感受性遺伝子、移植関連遺伝子、薬剤応答性関連遺伝子、薬剤副作用関連遺伝子の探索と同定を行ってまいりました。

 その結果、多数の遺伝子を同定、報告してきましたが、いずれの場合もHLA(Human Leukocyte Antigen、ヒト白血球抗原)が最も高いオッズ比*を示すことが多いため、最近で は次世代シーケンサーを用いたHLAタイピング法を開発し(写真4)、HLA タイピング検査の 受託に事業の主力を移しています。    

 その結果、多数の遺伝子を同定、報告してきましたが、いずれの場合もHLA(Human Leukocyte Antigen、ヒト白血球抗原)が最も高いオッズ比*を示すことが多いため、最近ではHLAタイピング法の開発、並びにHLA のDNAタイピングの受託検査に事業の主力を移しています。

 これらの我々のチームの成果のなかでも、特筆すべき、記念碑的な出来事として、次の4つをあげることができます。

1990年 HLAのDNAタイピングの世界の先駆けとなるPCR-RFLP法の開発
      (図1: PCR-RFLPに関する招待総説invited articleを執筆)

1999年 HLA 全領域7.6 Mbのゲノムの解読(当時、ゲノムの最長の領域の解
      読を国際MHCシーケンシングコンソーシャムの4チームの一つと して貢献した)
      (図2:HLA 全領域7.6 Mbのゲノムの解読について、Natureに 論文発表)

2003年 ヒトゲノム全塩基配列の解読(国際ヒトゲノムシーケンシングチー ムの一つとして貢献した)
      (図3:2003年ヒトゲノム全塩基配列の解読の成果を、当時の小泉首相に報告)

2013年 次世代シーケンサーを用いたHLAタイピングに関する特許(SS-SBT法)の専用実施権を、
      Thermo Fisher – One Lambda Inc. に供与
      (図4:我々が開発した次世代シーケンサーを用いたSS-SBT法をキット化したNXType、
      をThermo Fisher – One Lambda Inc.より販売)

 HLAのDNAタイピングは、1988年以降分子生物学の技術の発展とともに、各時代の最新技術を取り入れて進歩してきましたが、我々はこれまでSothern ハイブリダイゼーション法、PCR-RFLP(Polymerase Chain Reaction-Restriction Fragment Length Polymorphism)法、Luminex ビーズを用いたSSOP 法、次世代シーケンサーを用いたSS-SBT(Super high resolution-Single molecule-Sequence-Based Typing)法と、常に世界をリードする先進的なタイピング法を開発して論文発表や特許を取得し、この分野をリードしてきた、と自負しております。

 特に、2013年の次世代シーケンサーを用いたHLAタイピングSS-SBT法は我々が開発した、次世代シーケンサーによるLong-range PCRを用いた8桁レベル(第4区域)のアリル決定が可能な、高精度で、かつ究極のタイピング法であります。このSS-SBT法は国際的にも広く普及し、世界的な標準法として用いられています。我々はこの次世代シーケンサーを用いたSS-SBT法によるHLA のDNAタイピングの受託検査を2015年より開始いたしました。

 したがって、我々が受託しておりますHLA のDNAタイピング法は、次の3種類です。
1)Luminex ビーズを用いたSSO(Sequence-Specific Oligonucleotide )(4桁レベル、第2区域)
2)サンガー法によるSBT (Sequence-Based Typing )法(4桁レベル、第2区域)
3)次世代シーケンサーによるLong-range PCRを用いた高精度なSS-SBT法(8桁レベル、第4区域)

 このように、4桁レベル(第2区域)から8桁レベル(第4区域)まで、皆さま方のニーズに応じて、様々な分解能でのHLA検査をご提供できます。

 皆さまには、正確で詳細なゲノム情報に基づくHLAタイピングのご提供を通じて医療の質の向上に貢献できますので、多くのHLA受託検査のご依頼をお待ちしております。

代表取締役社長    
東海大学名誉教授  
猪子 英俊   

*オッズ比:例えばあるHLAの遺伝型をもっていると、その遺伝型をもってない人に比べ何倍疾患にかかりやすいかという指標

 

1990年 HLAのDNAタイピングの世界の先駆けとなるPCR-RFLP法の開発

写真1

図1.1990年 PCR-RFLPに関する招待総説invited articleを執筆

写真2

図2.1999年 HLA 全領域7.6 Mbのゲノムの解読について、Natureに論文発表。
         当時、ゲノムの最長の領域の解読を国際MMCシーケンシングコンソーシャムの
         4チームのひとつとして貢献した。

写真3

図3.2003年 ヒトゲノム全塩基配列の解読の成果を、当時の小泉首相に報告。
        (国際ヒトゲノムシーケンシングチームの一つとして貢献した)

写真4

図4.2013年 次世代シーケンサーを用いたHLAタイピングに関する特許(SS-SBT法)の
         専用実施権を、Thermo Fisher ‒ One Lambda Inc. に供与。

(我々が開発した次世代シーケンサーを用いたSS-SBT法をキット化したNXTypeを、ThermoFisher ‒ One Lambda Inc.より販売)

HLAのDNAタイピングは、1988年以降分子生物学の技術の発展とともに、各時代の最新技術を取り入れて進歩してきましたが、我々はこれまでS ot h e r nハイブリダイゼーション法、PCR-RFLP(Polymerase Chain Reaction-Restriction Fragment Length Polymorphism)法、L u m i n e x ビーズを用いたS S O P 法、次世代シーケンサーを用いたS S - S B T(Superhighresolution-Single molecule-Sequence-Based Typing)法と、常に世界をリードする先進的なタイピング法を開発し、この分野をリードしてきた、と自負しております。

特に、2013年の次世代シーケンサーを用いたHLAタイピングSS-SBT法は我々が開発した、次世代シーケンサーによる8桁レベル(第4区域)のアリル決定が可能な、高精度で、かつ究極のタイピング法であります。このSS-SBT法は国際的にも広く普及し、現在の弊社の基盤技術として確立しています。弊社ではこの次世代シーケンサーを用いたSS-SBT法によるHLA のDNAタイピングの受託検査を2015年より開始いたしました。

したがって、弊社で受託しておりますHLAのDNAタイピング法は、次の3種類です。
1)Luminex ビーズを用いたSSO(Sequence-Specific Oligonucleotide )(4桁レベル、第2区域)
2)サンガー法によるSBT( Sequence-Based Typing )法(4桁レベル、第2区域)
3)次世代シーケンサーによる高精度なSS-SBT法(8桁レベル、第4区域)

このように、4桁レベル(第2区域)から8桁レベル(第4区域)まで、皆さま方のニーズに応じて、様々な分解能でのHLA検査を皆さまにご提供できます。

皆さまには、正確で詳細なゲノム情報に基づくHLAタイピングのご提供を通じて医療の質の向上に貢献できますので、多くのHLA受託検査のご依頼をお待ちしております。

*オッズ比:例えばあるHLAの遺伝型をもっていると、その遺伝型をもってない人に比べ何倍疾患にかかりやすいかという指標